悦子と義兄の間柄は、かなり気まずいものだった。義兄が悦子を認めていないことは明白で、そのことがふたりのあいだに深い緊張を生んでいた。義兄は顔を合わせるたびに、妻や子どもに逃げられたことについて不満を漏らした。悦子は義兄を避けたかったが、家族の集まりでは顔を合わせるしかなかった。

夫がいる時は、さらに悪かった。彼はいつも酒に酔って騒ぎ、悦子を当惑させた。事態が手に負えなくなったのは、3回目の結婚記念日のことだ。義兄が家に夕食に来て、相変わらず好き勝手なことを言った。しかしこの時ばかりは、悦子を守ってくれる夫はいなかった。悦子はひとりで義兄に対処しなければならなかった。
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