沙織は映画館へ歩いて向かう途中、これから観る映画のことで頭がいっぱいだった。映画館に行くのはかなり久しぶりで、ようやく新作の話題作を観られると思うと、彼女はわくわくしていた。通りを歩いていると、少し後ろから男性がついてきていることに彼女は気づいた。

最初、さおりはほとんど気にしなかった。この街に長く住んでいる彼女は、男性に注目されるのに慣れていた。だが、その男はそれまでの相手とは違った。彼は近すぎるほど接近し、しつこくつきまとった。彼の視線はずっとさおりに向けられており、背中に彼の存在を感じずにはいられなかった。
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